効果的な歯みがき剤の使い方とフッ素について

みなさん、こんにちは。仙台つつじがおか歯科の岩本です。

最近、スーパーや薬局に行くと「フッ素高濃度」と宣伝された歯みがき剤をよく見かけます。
日本では平成29年3月から、ご家庭で使えるフッ素の濃度上限が引き上げられました。それに合わせ、各メーカーから新しい商品が発売になっています。

そんな中で、結局どんな物を使ったらいいの?というご質問を多くいただいています。

 

結論から申しますと、①味の好みが合う、②年齢に応じたフッ素濃度配合の物が良いです。
(年齢ごとのオススメフッ素濃度は、ガイドラインが今後変更になる可能性もありますので、厚生労働省のホームページでお調べいただくか、当院までお問い合わせ下さい)

ご存知の方も多いと思いますが、フッ素はむし歯から歯を守ってくれたり、場合によってですが歯を回復させる働きもあるため、ぜひ毎日の使用をお勧めします。
また、その効果を最大限に引き出すと言われている特別な方法がありますので、今日はそのお話をしたいと思います。

 

まず、フッ素は「むし歯」から歯を守ります。
歯にとって脅威となる病気は「むし歯」と「歯周病」があり、フッ素を塗ればそれだけで歯は安全、というわけではないです。
(「歯周病」を防ぐには、別の方法がありますので後述します)

むし歯…痛いですよね。
痛みが出た頃には、かなり進んでしまっています。
できればその前から、フッ素を使うようにして下さい。

ごく初期のむし歯でも、もう既に歯の表面が細菌の出す酸で溶けているんです。
そこの菌を除去し(ハブラシ+フロスor歯間ブラシを使いましょう)その上にフッ素を塗ると、溶けかけてピンチ状態の歯を助ける事ができると言われています(再石灰化)。

しかし、フッ素は一瞬塗るでは効果が薄いため、なるべく長い時間停滞させるのが効果的です。
フッ素の後はうがいをしすぎないようにし、2時間は全ての飲食を避けましょう(勿論、どうしても喉が渇いたらお水を飲んでOKです)。

まとめると、
①ハブラシだけでなくフロスや歯間ブラシも使ってていねいに菌をはがす。
②フッ素は歯の隅々まで塗り、十分に行き渡らせる。
③その後の洗口はごく少量のお水を使い、5秒間、1回のみ。
④2時間は飲食をしない。

むし歯はなりやすい方となりにくい方がいるため、あくまで参考程度ではありますが、ぜひお試し下さい。

また、「歯周病」の予防方法は、

①毎日できる限り広範囲の菌をはがす事
(やっかいな事に、歯とはぐきの間にある細~いすき間にも菌がはさまってついています。歯科でお教えしている適切なブラッシングをしても届きにくい事がありますので、伝家の宝刀(必ず使いましょう)フロスor歯間ブラシを使い、それでも取りきれない部分は歯科で専門的な清掃を受けましょう)
②はぐきの健康を考えてあげる事
(過度なストレス、不健康な生活は避けるよう心がけましょう。特に喫煙をしてしまうと、はぐきが窒息状態になってしまい歯周病の進行が加速する上、正常な炎症反応が出にくくなってあっという間にひどい状態まで進んでしまいます…)

いかがでしたでしょうか?
むし歯の予防に役立つフッ素を、ぜひ毎日の歯のケアで取り入れて行きましょう。