歯科と全身疾患➁

前回の続きです(^ω^)

 

*アナフィラキシー

アレルギーを引き起こす特定の物質(アレルゲン)が体内に入ることにより、短時間に全身性に発症するアレルギー反応です。血圧低下や意識の消失を伴い、生命に危機を与えるほどの重篤な病態をアナフィラキシーショックといいます。

アナフィラキシーの症状は様々ですが、一般に、アレルゲンに触れてから数分〜数十分後に初期症状としてじんましんや皮膚の発赤などの皮膚症状を示すことが多いです。歯科治療でのアナフィラキシーショックの発現頻度はきわめてまれです。

・皮膚症状(じんましん、血管性浮腫、顔面紅潮、口唇浮腫など)

 

続いて、基礎疾患(持病)を持つ方が起こる可能性のある症状です。

*血圧上昇

歯科治療に対する精神的ストレスや痛みなどの身体的ストレスは交感神経を興奮させ、血圧を上昇させます。コントロールされていない高血圧症では、歯科治療中の刺激やストレスで血圧が著しく上昇することがあります。

*狭心症発作

心臓の筋肉を養う冠動脈に狭窄またはけいれんが生じ、心臓の動きに必要な酸素や栄養素を供給できなくなることで、胸の痛みや締めつけ感が生じます。痛みの持続時間は比較的短く、安静にすることで軽快することもあります。

*低血糖症状

血圧降下剤やインスリン注射など血糖値を下げる働きをもつ薬剤が投与されている患者さんで発症する危険性があります。お口の中の疾患や痛みのため、十分な食事やカロリーを摂取できず、血糖降下作用をもつ薬剤だけを使用した場合、急激な血糖値の低下が起こり、ときに意識消失、昏睡状態に陥る危険性があります。また、運動や飲酒、入浴なども低血糖の原因となります。低血糖症が疑われた場合、できるだけ早い段階で対応しなければなりません。意識がある場合は、口からブドウ糖の入った飲み物や食べ物を摂ってもらいます。

 

*喘息発作

ホコリ、風邪、疲労、気候、ストレスなどが原因となって、突然に、咳や痰、息苦しさや「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴が起こってきます。歯科治療中では、レジンの臭気や粉塵、歯の切削片、タービン水の誤嚥なども発作の誘因となります。また、鎮痛剤などにより激しい喘息発作を起こすものをアスピリン喘息といいます。成人の喘息患者の10〜30%が該当するとされ、特に30〜40歳代の女性に多くみられます。

 

以上です。歯科と関係がないかもと思われる疾患でも偶発症といって、元々お待ちの持病を悪化させてしまう場合もあります。

当院では、初めて受診される方に、始めにカウンセリングを行っております。カウンセリングでもお聞きしますが、カウンセリング前に書いていただく問診票でも今までにかかったことのある病気を書く欄があります。もしかするとそこに「別に大丈夫かな〜」と思って記入をしない方もいらっしゃるかもしれません。

小さな病気、治った病気でもできるだけ記入してくださいね(^-^)

私も、歯科医院に限らず、初めて受診する病院では、耳鼻科と関係がなくても花粉症と鼻炎アレルギーを記入します。笑

また、書きにくいときはスタッフにこっそり教えていただいても大丈夫ですよ(*´-`)

読んでいただきありがとうございました(^o^)