むし歯を放置する危険性

皆さんこんにちは!仙台つつじがおか歯科の岩本です。

いよいよ2019年ですね!本年も仙台つつじがおか歯科をよろしくお願い致します。

今日は、むし歯を放置する危険性についてお話していきたいと思います。

「むし歯があるけど歯科医院に行きたくない…」

歯科医院に行きたくない気持ち、わかります。

私もかつてはそうでした。

あの歯科医院独特の雰囲気、音、匂い…

治療にはお金もかかるし、時間もないし。

しかし残念ながら、むし歯は自然に治ることはありません。よほど意識的に進行予防をしなければ、悪くなってしまう一方です。

「別に歯がなくなってもいい」

 

時々、そうおっしゃる方がいます。

しかし時としてむし歯の放置は歯だけでなく、命に関わることもあるのです。

 

 

むし歯が放置され穴が開いている所にはむし歯の菌がいます。歯は直接骨に埋まっているため、むし歯を放置すると顎の骨や周りの組織に菌が感染することにより、様々な「歯性感染症」という病気になることがあります。むし歯、歯周病、親知らずの炎症なども実は「歯性感染症」の一種ですが、放置することにより重症化して「歯槽骨炎」「顎骨骨膜炎」「顎骨骨髄炎」「蜂窩織炎」などの命に関わる種類まで悪化してしまうことがあります。

(むし歯以外にも感染経路として、歯周病の炎症や親知らずの周囲の炎症、歯を抜いた後の細菌感染などもあります。)

痛みや腫れ、しびれ、また、歯がぐらぐらと動いたり、顎の骨が口の中で露出してしまい、見える状態になってしまうこともあります。

上の歯であれば脳や目、下の歯であれば首や耳や肩などにも痛みが出る場合があります。

また、全身状態として38℃以上の発熱や倦怠感、食欲不振などの症状にも現れますが、無症状であることもあります。

むし歯の菌は最終的にどこまで行くのでしょうか?

顎の骨の中には骨髄と呼ばれる柔らかな部分があり、大量の血液が流れています。そこにまで菌が到達してしまうと血液を介して全身に菌が運ばれてしまう「菌血症」になってしまうことがあります。

それでもむし歯や歯周病の治療をしなければ、菌は減りませんので最終的に免疫機能全体が破綻してしまいます。心内膜炎、脳膿瘍、特に死亡率の高い敗血症などの病気にかかってしまうのです。むし歯の放置が命に関わるとは、そういった理由から言われているのですね。。

私がこの歯性感染症について学んだのは歯科衛生士専門学校の病理学の講義でした。歯科における病理学を学ぶ中で、歯が命まで奪ってしまうなんて恐ろしいなと思いながら必死に勉強したのを今でも覚えています…。

その頃とはまたガイドラインが違ってきているかもしれませんので、参考程度に知っておいていただければと思います。

むし歯は放置せず、歯科医院に行きましょう!