スウェーデン・フィンランド研修レポート①

皆さま、こんにちは!仙台つつじがおか歯科の岩本です。

毎日寒いですね。本年も残す所あと少しとなりましたが、お元気でお過ごしでしょうか?

 

私事ですが、1110日から17日にかけ、1週間お休みをいただきまして、北欧スウェーデン・フィンランドでの歯科研修に参加してきました!

何回かに分け、その時のお話をしたいと思います^_^

本日は、『世界一むし歯が少ない国』であるスウェーデンの秘密に迫ります。

来年はオリンピックイヤーという事もあり、日本で歯科衛生士として働いていますと、外国人の方に接する機会も増えました。

世界的に見て、昔と今で比べるとむし歯の数と言うのは年々減少しています。「むし歯にならないようにするにはどうしたら良いのか?」という事が以前よりも詳しくわかってきて、日本でもテレビや雑誌等で特集される事が増え、知識が得やすくなったと思います。インターネットでも、歯に関しての言葉をひとつ検索すれば多くの情報がヒットします。

それは、情報網の進化も勿論ですが、むし歯の研究が進んだと言う事で、誰かがどこかで「どうしたらむし歯にならないのか?」を研究しているわけです。勿論それは世界中で行われています。大学、企業、そして何よりも「国」を挙げて先進的に取り組み、結果が出たのがスウェーデンです。

 

かつてスウェーデンは、むし歯大国であった日本よりもさらにむし歯が多い国でした。しかし国を挙げた様々な取り組みにより、今では12歳児のむし歯経験数が日本に比べ半分程度にとどまっています。

具体的にどのような取り組みでむし歯が減ったのか、現地で聞いて来ました。

日本との違いとして、国の社会保障制度の在り方が大きく関係しています。

例えば皆さんが、生きていくのが困難になるぐらいの大きな問題と直面していたら、自分の歯の事に関心が持てるでしょうか

国民の生活にある程度の豊かさと、そして歯への関心、知識がないとむし歯は減りません。国民の生活を安定させること、全ての子どもが医療を受けられるようにすること、スウェーデン政府は、「国民の健康格差をなくす」事への取り組みに力を入れています。

スウェーデンでは国民の健康を守るため、公立の歯科に行けば20歳未満の国民は歯の検診と治療を無料で受けられる制度があります。

そして、妊娠中のママや保護者には「なぜむし歯の予防が必要なのか?どうしたら予防ができるのか?」を教えてもらえる制度があるので、親から子へ知識を受け継いで行けるようになっています。

歯科へ定期的に通う事と、自分自身での毎日のセルフケアの両方が必要です。それをサポートする歯科スタッフの力も必要でしょう。

日本でも、自治体によっては子どもの医療費補助が出る地域がありますが、国単位での取り組みはないのが現状です。しかし、一人一人が正しい知識を持って自分のお口を自分で管理することができれば、国も豊かになって行くと言っても過言ではないんじゃないかと思います。

前置きが長くなってしまいましたが、次回はスウェーデンや同じ予防先進国であるフィンランドで行われている具体的なむし歯予防の方法についてお話して行きます!