歯周病が全身に及ぼす影響について

こんにちは。

仙台市宮城野区仙台つつじがおか歯科の院長の脇川です。

この前、歯科健診の義務化がニュースで報道されていました。

私としては検診を受けてもらうことで早期発見、早期治療に入れる利点があり

歯の健康以外にも体全体の健康にも良い影響がでるのではないかと期待しています。

 

さて今回は歯周病が全身に及ぼす影響について説明していこうと思います。

まず歯周病に罹患すると炎症によって産出される毒性物質が歯肉の血管から全身にはいり

様々な病気を引き起こしたり悪化させる原因になります。

1、狭心症

歯周病菌が動脈硬化を誘導する物質を血管内に出すことで

プラークがたまり血液の通り道が細くなり結果、狭心症や心筋梗塞など

心臓周りの血管がつまりやすくなります。

 

2、糖尿病

歯周病は糖尿病の合併症の一つといわれてきました。

歯周病の悪化に比例して糖尿病も悪化していくため

生活習慣の改善に加えて歯周治療も並行しておこなうことが

望ましいです。

 

3、誤嚥性肺炎

歯周病菌が気管内に侵入して肺炎を引き起こします。

特に高齢者になると嚥下する力が衰えてくるため誤嚥性肺炎がおこりやすくなります。

原因の多くは歯周病だといわれているため定期的な歯周治療をおこなっていきます。

 

4、認知症

歯周病によって歯を喪失してしまった場合

健康な歯が多い方に比べて入れ歯など多く歯を失っている方は認知症の発症や進行が

早いといわれています。

8020運動があるように80歳になっても20本以上の健康な歯を保つことが重要です。

 

5、骨粗鬆症

閉経後などでエストロゲンの減少に伴い歯周ポケット内では炎症を引き起こす物質が作られ

歯周病が進行していきます。

全身の骨ももろくなるので骨折しやすくなり全身管理も必要になります。

骨粗鬆症の薬として用いられるBP系製剤を服用の方は診察前にはスタッフもしくは

かかりつけ医に報告をお願いします。

 

6、妊娠における早産、低体重児

妊娠中は通常よりも歯肉が腫れやすくなりエストロゲンという女性ホルモンが

ある特定の歯周病原細菌の増殖を促すため妊娠性歯肉炎から歯周病の進行につながります。

また早産や低体重児の出産にも関係しているといわれ妊娠中とくに安定期以降は

歯周治療を怠らずおこなうことが重要です。

 

このように歯周病は大人、高齢者、妊婦など幅広い年齢層に影響をおよぼすことが

報告されています。

今現在歯周病でお困りの方はまずはお口の現状の把握とかかりつけ医にて

歯周治療の継続で全身の健康の向上につとめるのもいいと思います。