糖尿病患者さんの体について②歯周病と糖尿病の関係

みなさん、こんにちは!仙台つつじがおか歯科の岩本です。

寒い季節になりましたね。みなさんお元気でお過ごしでしょうか。

本日は、前回のお話(糖尿病患者さんの体について①誰にでも身近な糖尿病!)の続きを書いていきたいと思います。

糖尿病とその合併症を防ぐため、食事のバランスや食べる順番に気をつけたり、ほんの少しの運動習慣を作るなど、すぐに始められそうなことがありましたね。

今回の記事では、糖尿病と歯周病の関係についてや、糖尿病についてセミナーで学んで感じたことなどに触れて行きたいと思います。

 

今回の土川先生のセミナーの中で『糖尿病って恐い…』と最も感じた点は、普通の人であっても、一度血中のタンパク質が『糖化(こげついてダメになってしまう現象)』してしまうと元に戻らず、そのまま排出されずに残るということ、また誰でも起きる血糖値の上昇によって、血管内壁は飲食のたびに傷つけられていて、もとに戻ることはないということです。

これを土川先生は高血糖の呪い、と呼んでいます。もとに戻らないというのが、歯周病菌によって溶けてしまう歯槽骨(歯を支えている顎の骨)と似ています。

『歯周病と糖尿病には相互関係があるようだ』という事が以前から言われてきましたが、今ははっきりと合併症として認められているということです。インスリン不足によるタンパク質の合成阻害、免疫力の低下が原因として考えられるということでした。

歯ぐきは60%がタンパク質でできていて、その修復にもタンパク質が必要になるため、インスリンが不足するということは、歯周病で壊れたはぐきが、化膿しやすく元通りに回復しにくくなります。

糖尿病や予備軍の方は、より丁寧に毎日の口腔ケアを行い、歯科医院での定期的な歯周病診断とケアを受けるようにお勧めしたいと思います。

 

それと、歯周病と糖尿病どちらにも言えると感じた所は、治すというよりコントロールする病気であるということです。血糖値のコントロールができたからと言って、完治するとは言えず、歯周病もこれで完治です、とはっきり言えるラインが決まっていません。

前の記事で述べた食事や運動も、ずっと続けなければ体はもとに戻ってしまいます。ストレスなく続けられる意識を作らないと一生がつらいものになってしまうかもしれませんので、楽しく続けられるように工夫することが大切であると感じました。

 

最後になりますが、土川先生の言葉で心に残ったのが、自分ができないことは患者さんに勧められない、患者さんに勧めたことは自分も実行する、という言葉です。

歯科衛生士になったばかりの頃は自分自身の間食や糖質の摂取制限があまりできておらず、患者さんへうまく伝えることができなかった部分がありましたが、自分が生活習慣に気をつけるようになってから、お伝えしやすくなりました。

先日歯周病の定期メンテナンスに来られた患者さんで、前回の指導を受け、砂糖を含む間食の摂取を減らし、好きだった甘いカフェオレもブラックコーヒーに変えたところ体の調子も良くなった、と嬉しそうに教えてくださった方がいました。(甘いカフェオレをやめてお辛くないかお聞きすると、ブラックコーヒーも好きになったのでストレスはないとのことです。)

歯肉の状態に改善がみられたので、そのことも嬉しかったのですが、患者さんの人生がその患者さんらしく健康的になっていくことが私は本当に嬉しく感じました。

患者さんの頑張りが、医療者の喜びにつながる時もあるんだな~、と知っていただけると嬉しいです。

 

最後は自分の話になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。自分の言葉でまとめたので、表現がわかりにくい部分も多かったかもしれませんが、ご自身の健康について考えていただくきっかけになったら嬉しいです。

歯科医院での歯周病治療(定期的にプラークをはがしはぐきの炎症を抑えること、プラークをはがせる方法を毎日ご自宅で実践していただくこと等)が、糖尿病の進行を予防すること、健康に過ごしていただく未来にもつながって行きます。お待ちしております!