歯科用レントゲンについて

みなさまこんにちは。仙台つつじがおか歯科の岩本です。

本格的に寒くなってきましたね。仙台つつじがおか歯科の近くには、仙台駅東口から楽天球場にかけてのびるイーグルロードという市道があり、毎年11月になると銀杏並木の色づきから落葉までの美しい景色を楽しむことができます。今年もその光景は同じです。コロナウイルス感染の流行で人の動きが大きく変わりましたが、自然は変わらず私たちを癒してくれます^^

これからさらに寒くなりますので、あたたかくして過ごしましょう。

 

今回は歯科用レントゲンについてお話していきます。

歯科のレントゲンには主に3種類あり、口腔内全体や顎の関節、上顎洞などの確認で撮影する『パノラマ』、細部の確認のために撮影する『デンタル』、二次元的な情報だけでは診断できない病変の診断のため撮影する『CT』です。レントゲンの撮影に際しては、患者様に「なぜこんなに頻繁にレントゲンを撮るの?本当に必要なの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。なぜレントゲンが必要なのか、どのようなことがわかるのかについて説明していきます。

例に出す画像は患者様のものではありません。

 

【パノラマ】

この【パノラマ】でわかることの一例としては、

・口腔内の全体像

・親知らずの状態

・顎の関節の左右差

・上顎洞の状態

などがあります。さらに、症状がある部分や疑わしい部分をさらに詳しく診断するために、この後に説明する小範囲のレントゲン【デンタル】も撮影します。

イラスト化したものに赤い線で明示しましたが、パノラマからは、歯を支えている歯槽骨がどれくらい残っているかのおおまかな全体像もわかります。歯槽骨がとけ続けると歯が抜けてしまい、ほかにも歯周病による様々な脅威から体を守ることが難しくなります。

どこかガクッと一部だけ垂直的に骨が溶かされている部分があれば、それが咬み合わせによるものなのか、根の先の病気によるものなのか、レントゲンによって原因がわかることもあります。現状確認とともに、そうなっている原因を考えるためにレントゲンは必須と言えるでしょう。

 

【デンタル】

パノラマではわからなかった歯周病・むし歯・根の先の病気等の状態、銀歯などの修復物の適合状態がより詳しくわかります。

歯周病治療においては、歯石の量と部位、歯槽骨の溶け方と程度、歯根膜腔とよばれる組織が拡大していないかを特に確認し、どういった処置が必要なのかを診断します。

 

【歯科用CT】

コンピューターによる断層撮影です。複数枚にわたり撮影した断層像をもう一度組みなおし、三次元(縦・横・奥行)で対象物を見ることができます。パノラマやデンタルは二次元の写真ですので、歯や骨などものが重なって記録される部分がでてきます。その点CTは三次元のデータですので、重なっている部分がどうなっているのかを調べたいときに撮影します。

 

私たちは、患者様が食べたり話したりなどの日常生活を当たり前におこなえること、痛みや症状なくすごせる状態をできるだけ長く守りたいと考えています。

そのために私たち医療チームとしては、痛いところをその都度直すだけでなく、定期的に全体をしっかり検査して、問題がある部分のうちどこを治療して、どこを治療せず予防するのかという治療全体の流れを考える必要があります。

そのためには、目に見える情報(もちろんそれも必要ですが)+目に見えない隠れた部分の情報が必要です。どちらかだけを基にした診断ですと、患者様の健康をかえって損なうことになりかねませんので、当院ではレントゲンと口腔内カラー写真撮影、両方の検査を行っています。